瀬野様より
小太郎は我が家の3匹目の犬です。
1・2匹目の時にしつけの本もたくさん読んだし、しつけ教室にも行きました。だから、その時に学んだことで何とかなると思っていました。が、可愛くて可愛くて大事に育ててきた小太郎が、ある時期から自分に飛びかかって噛むようになりました。腕が痣で青くなるまで悩んで自分では無理と判断して、散歩中に知りあった先生に助けを求めました。
トレーニングの時、「やはり、専門家は手数が多いなぁ~~。」とぼけーっと感心して見ていたらリードを渡されました。
が、自分だと小太郎は言うこときいてくれません。先生だと楽しそうなのに、何でママでは駄目なんですか(T_T)
過去に行ったしつけ教室で、一緒に講習受けた人が「訓練士さんがリード持つとお利口なのに……。」と悔しがっていたのを思い出しました。同じ罠に落ちるとは……。今まで他人事だと思っていたのに……orz。
小太郎のトレーニングと平行して、飼い主の方も指導していただきました。
小太郎に対する自分の態度や性格に合った対応などなど。時には凹むほど……。凹んでも、小太郎の飼い主は自分なので気持ちを切り替えて続けました。そして、つき合っていただきました。1年も……。
今では、70過ぎた母がリードを持って散歩に行けるほど、穏やかに落ち着いて歩くようになりました。1年前のことを考えると嘘のようです。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
【トレーナーより】
大型犬のオスは永遠のオトコノコ。と言われるくらい体が大きくパワフルだけど最強の甘えん坊。大型犬のオスと生活している飼い主さんの中には瀬野さんの文を頷きながら読んだ方もいらっしゃるかと思います。可愛くて可愛くてつい・・・。
この「つい」が大型犬の場合、思いもよらない「力」となって返ってきます。
小太郎の場合、自分の力の強さに自信を持った時期と飼い主さんへの反抗、そして優位性を主張する時期が重なって全力で「嫌だ!俺の指示に従え!」と必死になっていましたね。瀬野さんの腕は小太郎の咬み痕で腫れていました。
でもこれは小太郎が怖い犬で困った犬だったからでしょうか?いや、違います。可愛さに負けて成長してゆく小太郎に飼い主として導く力が無かったから。導く力とは暴力などで支配して従わせる意味ではなく、毅然とした頼もしい力と良く出来た行動を素直に心から認めて褒める力の事。このバランスが崩れている飼い主さんを小太郎は見抜いたのでしょう。
きっと小太郎は嫌だったのでしょう。
頼もしくないのに命令ばっかりの飼い主・・・
頑張ってるのに気付いてくれない飼い主・・・
イライラが爆発したその時、小太郎は飼い主さんに歯を当てました・・・。
ですが、トレーニングを通して上記の力を上手に使えるようになった飼い主さんに小太郎は落ち着きと信頼を感じて凄く変わっていきました。目のギラギラ感も無くなり飼い主さんに対して心から「大好き」って気持ちが全身から溢れていますね!いつもそんな相思相愛ペアを見てニヤニヤしちゃいます♪今、お母様と散歩が出来るようになったのも、咬まれなくなったのも、指示が聞けないくらい大興奮しなくなったのも訓練士の力ではなく瀬野さんがこの日まで日々トレーニングを続けて小太郎との信頼を得たからです。今は、この信頼関係を活かして様々な事に挑戦して楽しく過ごしていますね!
こちらこそこれからも宜しくお願い致します。これからも瀬野さんと小太郎の息の合った共同作業を見せて下さい♪